見える化はダサい?意味ない?気持ち悪い?

  • KGI

業務の見える化は、マネージャーや管理者にとって部下の仕事の進捗状況を常に把握しておくために絶対と言っていいほど必要なことです。

しかし、見える化してフィードバックできる仕組みがなければ、部下からは「ダサい」「意味ない」「気持ち悪い」と言った評価をされてしまいます。

上司から部下への評価は定期的に行われますが、部下から上司の評価は、それこそ「見える化」できていない企業も多くあるでしょう。

今回は、「ダサい」「意味ない」「気持ち悪い」と言われないような見える化の手法について解説しますので、ぜひ取り組みの一環としてご検討なさってください。

見える化を最大限に活かすためには、部下からの協力も必要なのです。

関連記事:KGI・KPIの見える化、営業職・経営者共に約半数が「できていない」

見える化とは

要因見える化社員。モデル:河村友歌、大川竜弥

もうすでに一般化しているように聞こえる「見える化」という言葉ですが、本当の意味は浸透していないようです。

「仕事の見える化、業務の見える化、経営の見える化」などの言葉は耳にしたことがあるかも知れませんが、「見える化」という分かりやすい言葉の半面、見える化の意味をきちんと理解している人は少ない印象を受けます。

そういった状態であれば確かに「ダサい」「意味ない」「気持ち悪い」と言われても仕方ないです。
そこでここでは、「見える化とは何か」を説明していきたいと思います。

見える化の起源はトヨタ生産方式

もともと、見える化とはトヨタ自動車の生産現場から生まれた言葉です。
トヨタ生産方式は無駄な在庫を作らないことを意識して作られた生産方法です。

この生産方式を実現するためには、ラインのどこかで問題が生じた時にすぐにラインを止めて問題の解決をしなければなりませんでした。

そのためには、現場の誰もが生産の全体像をリアルタイムで把握しておく必要があります。

しかし「見える化」が行われる以前の管理手法は、何か問題が生じた場合、現場のマネージャーが生産状況を各部署に聞いて回り、原因を調べてから解決するというのが一般的でした。

これでは経営の判断が遅くなり在庫がたまり続ける危険があります。

すぐに問題を特定し、改善を図れるようにするために「いつでも誰でも、その用紙を見れば生産状況がわかる」ように生まれたのが初期の「見える化」です。

仕事の見える化で経営や仕事効率の改善へ

このように、問題が発生するまで確認することができなかった「経営の課題」や「経営指標に対する進捗」をすぐに見えるようにするために生まれた「見える化」ですが、現在では「仕事量の見える化、業務フローの見える化」など多岐に渡って使用されています。

共通して言えるのは、「人、モノ、カネ、情報」などの状況を、目で見て比較検討できるようにしておくことで、経営や仕事効率の改善に役立てようという目的があるということです。

その中でも、経営指標である「KGI」や「KPI」を見える状況にしておくことが最も重要視されています。

関連記事:KPIとKGIの見える化が経営に欠かせないたった1つの理由

見える化がダサいと言われる理由

見える化ダサいと思ってる女子。モデル河村友歌、大川竜弥

「見える化」がダサいと言われる理由としては以下のようなことが挙げられます。

時代遅れ感がある

近年はやたらとアルファベットの略語が増えています。それこそ「KPI」や「KGI」などが該当しますね。

その中では「見える化」という言葉に対してダサいという印象を持つ方もいらっしゃるでしょう。

むしろ知らなくても聞いただけで内容がわかる「見える化」の方が便利ですが、時代遅れ感は否めないかもしれません。

このことに関しては誰も悪くないですが、あえて対策をするのであれば「社内用語を作る」などの手法がありますが、ネーミングセンスが問われます。

関連記事: OKRとは?KPIとの違いやMBOも解説|知識や意味を理解して目標達成を

可視化と混同している

いつも使っている言葉のルーツもカルチャーも知らなければ、知っている部下からはダサい印象を受けるのも当然です。

可視化とは

可視化とは、人間が直接見ることができない現象や事象、関係性を画像やグラフ、図、表など見ることができるものに変換することです。
視覚化、可視化情報化、視覚情報化とも呼ばれます。

可視化は、ビジネスにおいても使用されます。
たとえば、顧客のニーズや満足度、売上、社員のエンゲージメントなどの傾向を数字やグラフを用いて可視化することで、業務改善を行うことができます。

可視化と見える化の違い

可視化と「見える化」は文字で見る上では大変似ていますが、可視化は誰が見てもわかりやすい状況にすることを意味することに対して、見える化は、情報を見ようとする意思がなくても必要なタイミングで自然と情報が把握できる状態を表します。

改めてまとめると、可視化と見える化の違いは次のとおりです。

  • 可視化には情報を見ようとする意志が伴う
  • 見える化は意志とは関係なく見える状態にする

つまり可視化は、データを見やすい形にして新たな課題を把握しやすくする行為をさします。

関連記事:あなたは知ってる? 見える化と可視化の違いは○○にある!

見せる化と混同している

可視化と同様に、間違えやすい言葉として「見せる化」があります。
他の言葉と混同するような、ルーツもカルチャーも感じない上司の言葉は、やはり全て安く見えてしまいます。

見せる化とは

見せる化とは、営業成績などをグラフ化して見せることを指します。
見る対象がマネジメント側ではなくプレイヤー側となります。

さらに見せる化では、結果のみの共有となっていて、過程は評価しません。

そのため、ダサいと思われるだけでなく、社員のモチベーションの低下を招く要因となります。

関連記事:社員のモチベーションを下げる「見せる化」とは?「見える化」と「見せる化」の違いも解説

見える化が意味ないと言われる理由

こんなの意味ねーよ社員。モデル:大川竜弥、Lala*

次は見える化が「意味がない」と言われる理由を解説します。

こちらもやはり、本筋とのズレが原因です。

見える化が目的化してしまう

見える化をすると、ついつい見える化そのものを目的化してしまい、本来の目的を見失ってしまうことがあります。

見える化は、あくまでも情報を見るための手段であり、目的ではありません。

見える化をする際には、必ず目的を明確にしましょう。
目的を明確にすることで、見える化の成果を評価し、改善を図ることができます。

見える化が複雑になってしまう

見える化をした上で、さらに上層部への報告をしようとすると、ついつい情報を詰め込みすぎて、複雑な図や表になってしまうことがあります。

時間の無駄です。

見える化をする際には、情報をできるだけシンプルにしましょう。シンプルな図や表は、理解しやすく、使い勝手も良いものです。

行動を伴っていない

上記の「見える化が目的化してしまう」と似ていますが、見える化をしても、改善されなければ意味がありません。
見える化は、あくまでも手段であり、結果ではありません。

見える化をする際には、改善することと行動することを意識しましょう。

そのためには、見える化のプロセスをなるべく簡素化し、あくまでデータを出すのではなく改善を図るための行動を行うことが重要です。

関連記事:PDCAサイクルは古い!時代遅れ!KPI設定の代わりになるものはOODA(ウーダ)ループ?

見える化が気持ち悪いと言われる理由

見える化気持ち悪い社員。モデル:大川竜弥、Lala*

見える化が気持ち悪いと言われる理由には以下のようなものがあります。

関連記事:目標管理のストレスを軽減したい!ストレスの原因と乗り越えるためのコツ

人の行動を監視・管理するイメージがある

見える化は、データを常に把握して、いつでも見られるようにすることです。

このため、見える化をすると、人の行動を監視・管理されているようなイメージを持たれることがあります。
そのため、「上司や経営陣が、従業員の行動を常に監視・管理している」というような印象を与えてしまいます。

監視しているわけではないことを理解してもらうためには、不定期に好意的なフィードバックを行なったり、作業のネックとなっているものを解決する姿勢を見せなければなりません。

人の感情や考えを理解できない

見える化は、大規模になるとどうしてもデータに基づいて分析を行う可視化に近くなってしまいます。

しかしそうなると、データに人の感情や考えは反映されていないため、見える化だけでは、人の行動を完全に理解することはできません。

大規模になったとしても、単なる可視化にならないような仕組みを作る必要があります。

関連記事:モチベーションが下がるきっかけの一例とKPI達成のための対策を紹介

人間の創造性や主体性を損なう

上記の「人の感情や考えを理解できない」が行きすぎてしまうと、創造性や主体性を損なってしまいます。

そうなると従業員のイノベーションが損失されてしまいます。

1on1で聞き手に回ることを意識したり、報連相ではなくザッソウ(雑談と相談)をこまめに行うことのできる環境を作る必要があります。

そのためにはやはり「見える化」が必要となります。

仕事の見える化とはなにか-経営に不可欠な視点-

「見える化とはこういうことやで」モデル:大川竜弥、Lala*

見える化とは「経営状況を明らかにすることで業務改善を効率的かつ効果的に行うようにする仕組み」です。

しかし、経営状況を常に「見える化」しようとすると、上記のようなデメリットが発生し、見える化するための作業に追われることになりかねません。

このような状況を改善するために生まれた「mieru」はシンプルなデザインと操作で経営の状況を把握できるサービスです。

経営陣から営業メンバーまで、設定に応じて組織の誰もが「KGIやKPIに対する進捗状況」を一目で確認する事ができます。

無料お試しも実施しておりますので、ぜひ一度ご活用下さい。

30日間無料 体験版を試してみる