企業経営の「見える化」とは?その重要性と方法・注意点を解説
- 見える化
「見える化」は、近年、多くの企業において重要視されている経営手法です。
経営者や管理者たちが経営情報や業績を視覚的に把握し、意思決定に活用することで、企業の運営に新たな可能性をもたらすとされています。本コラムでは、「見える化」導入の重要性と同時に、注意すべきポイントについても探ってみたいと思います。経営における新たな一歩を踏み出すためのヒントをご紹介します。
INDEX
企業経営の「見える化」とは
「見える化」とは、企業の経営情報や業績などを視覚的にわかりやすく可視化することで、現状把握や問題の発見、効果的な意思決定をサポートする手法です。
様々なデータや進捗を視覚的にわかりやすく表現するだけでなく、スピーディーな意思決定や、問題の発見に繋げることを目的にしています。
単なる現状の「可視化」を目標にするのではなく、経営に役立てることが手段としての「見える化」の目的です。
まずは、「見える化」の重要性を説明します。
企業経営の「見える化」の重要性
企業の成長のために日々判断を迫られているという経営者の方でも、現状を把握するだけで時間を取られてしまう!ということはありませんか?
そういった時には、一部の管理職の間でしか目標が共有できていなかったり、現状の問題の原因がどこにあるのかわかっていなかったりする場合があります。
目標や進捗が可視化されていない場合には、注力すべき点や問題点の発見が遅れが生じ、経営ジャッジに時間がかかってしまいます。そのままではビジネスチャンスを逃してしまうかもしれませんね。
「見える化」を導入し、視覚的に情報を理解しやすくすると、経営者やチームメンバーは迅速な判断や対応が可能となり、組織全体の効率や生産性の向上が期待できます。
また、「見える化」によって、問題や課題を早期に発見し、改善策を講じることができるため、ビジネスの競争力向上にも寄与するとされています。
このように、1分1秒の争う企業経営には、「見える化」が欠かせません。
企業経営の「見える化」導入事例
「見える化」の導入事例として、トヨタ式生産が有名です。
トヨタ自動車では、製造の現場で異常が起こった際に、即座に関連部署に伝える「アンドン」と呼ばれる電子表示盤が利用されています。
「アンドン」は、作業状態ラインを効率的に管理するための道具で、迅速に異常処置を行い、原因追及や再発防止にいち早く対応することを可能にしています。
また、「アンドン」が赤や黄色に光った時には、作業者だけでなく、上司や関連部署にもすぐに伝達されるため、何か異常が起きた時には問題を共有し、協力して対処するというチームワークの促進にも一役買っています。
これは業務改善に関する「見える化」導入の事例ですが、現在では製造現場や業務改善でなく、経営、人事、経理などあらゆるビジネスシーンで「見える化」の活用が有効策として普及しています。
関連記事:業務の見える化ってなに?見える化の方法やメリット・おすすめツールを紹介
企業経営における「見える化」の方法
それでは、企業経営における「見える化」はどのような方法で行えば良いでしょうか?
また、注意すべき点はどこにあるでしょうか?
以下では、企業経営の「見える化」の方法を紹介します。
「見える化」の目的を明確にする
まずは、「何を」見える化することで、業務全体の現状把握と経営戦略の判断が簡単にできるのかを考えます。
企業の成長を目指すために、その目的に適した指標を明確にすることが非常に重要です。
重要な指標を視覚的に分かりやすくするためには、それを達成したのかどうかが、誰にでもわかるよう、数値で設定することが必要です。
例えば、「売上高」「利益率」「在庫量」「受注数」などを設定することができるでしょう。
このような数値をグラフやチャートで表示することで、経営の健全性を把握することに役立ちます。
リアルタイムで確認できる鮮度の高いデータを活用する
数値目標を達成したかどうか、もしくは達成されていない時には、どこで問題が起きているのかを素早く把握し解決するためにも「見える化」は有効です。
そのためには、信頼性が高く、鮮度の高い情報にリアルタイムで確認するようにしておかなければなりません。
どのデータを使用するかどうかを見極め、リアルタイムのデータにアクセスできるようにすることで、課題に対する分析や経営判断に活用することが可能になります。
まとめて一つの画面に表示する
一つの画面で共有を楽に行うことで、社員は毎日その目標を確認することができます。
たくさんの目標を掲げて忘れられてしまうより、厳選したいくつかの目標を毎日共有することのほうが大事です。
また、多くの情報を共有したいからといって、一つに収まらない程の量では、管理する手間も増えてしまうため注意が必要です。
「見える化」導入の際の注意点
その目標設定は適切ですか?
設定した目標を社内で共有し、その進捗を「見える化」することで、現状把握に役立ち、次のアクションを起こしやすくします。
しかし、その目標が主観的な要素や質的な要素からなる定性的な目標であった場合、どのような状況になれば「目標達成」と言えるのか分かりません。
そのため、目標となる指標には「カウントが可能」な定量的なものを設定しましょう。
定性的な目標の考え方は?
指標となるものには数値的な目標が重要、と言われても「サービス向上」「顧客満足度の向上」「従業員の働きやすさの向上」のような質的な目標も大事だ!と思われることでしょう。
例えば、「社内環境を良くし、チームワークを促進する」という定性的な目標に対して、お世話になっている社員に「サンクスカード」を手渡した場合にはカウントする、という取り組みをしている企業もあります。
関連記事:KPI(重要業績評価指標)とは?KGI・CSF(KSF)との違いや意味・設定方法を解説
「見える化」が目的になっていませんか?
現状を素早く分析して判断したり、進捗確認を効率よくしたりするために「見える化」したのに、共有するデータの修正や更新などに手間がかかってしまっては、本末転倒です。
「見える化」を行うためには、図やグラフのような視覚的な分かりやすさが大切ではありますが、こうした管理に時間をかけたくない時には、専用のツールを導入することも視野に入れるべきでしょう。
また、必要以上の数の目標設定も、「見える化」の本来の目的を妨げてしまいます。
やはり「一つの画面で表示できる」くらいが理想です。
一覧で視覚的に分かりやすいツールを使用するのがおすすめです。
関連記事:mieruとは?企業運営が見える化?目標達成も支えてくれる?話題のmieruについて徹底解説
まとめ
以上、本コラムで述べてきたことをまとめると、下記のようなポイントになります。
- 目的を理解し、「見える化」を行う。
- 重要な指標は数値目標で設定する。
- 鮮度の高いデータを活用する。
- まとめて一つの画面に表示する。
これらを踏まえて、企業経営の「見える化」を実践し、社内の課題解決とスピーディーな経営判断に役立ててみてはいかがでしょうか。
「見える化」ツールを選ぶ際にも、これらの4点のポイントを参考にしていただけると嬉しいです!
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