社員のモチベーションを下げる「見せる化」とは?「見える化」と「見せる化」の違いも解説
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営業成績の結果だけを評価する「見せる化」
「見せる化」という言葉、聞いたことはありますか?
「見せる化」とは、営業成績などをグラフ化し、社員に共有することです。
ここで大事なことは、あくまでも結果にしか注目しないこと。
結果が出るまでの、過程・プロセスは考慮しません。
それでは、結果だけにフォーカスした「見せる化」を行ったとき、組織、社員間にどのような影響を与えるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
「見せる化」は社員のモチベーションを下げる
結果のみに注目した「見せる化」を行い、かつその結果のみにフォーカスし、社員に指導をすると、営業成績が良い社員は特に何も思わないかもしれません。
しかし営業成績の結果が出ていない社員は、モチベーションが下がるかもしれません。
結果が出ていないことは、確かに改善が必要です。
ただ、過程・プロセスが正しいのに、結果が出ないことも、十分にあり得るでしょう。
そういうとき、
●(正しいやり方なのに)自分のやり方が間違っているのか……と自信を失ってしまう
●「こんなに頑張っているのに…」とネガティブな気持ちになる
という気持ちになりかねません。
プロセスを知るからこそ、社員1人1人の状況、スキルレベルに応じた声かけができるのではないでしょうか。
それではつづいて「見せる化」を行うことが、組織にどのような影響を与えるのかをみていきましょう。
関連記事:モチベーションが下がるきっかけの一例とKPI達成のための対策を紹介
「見せる化」は組織の雰囲気を殺伐とさせる
結果のみに注目する「見せる化」を行いつづけると、組織間の雰囲気が、どこかドライなような殺伐としてしまうことを懸念します。
理由は、「評価軸が結果の数字のみだと、社員間に協力する気持ちがなかなか芽生えにくくなってしまうから」と予想します。
極端な話になってしまいますが、
仕事は、提案書の作成やお客様との交渉のように、直接的に結果の数字に関わる内容と、
提案書の作成のために必要な情報を調査したり、社員が気持ちよく過ごすための社内美化など、結果の数字に直接的に関わらない内容に分かれます。
結果の数字にしか注目しない場合、「結果に直接的に関わらないプロセスを担う仕事」の担当者は、「自分は必要とされていないのか」「提案しやすいように、お客様に響くようにせっかく調査したのに、全く評価されない」というネガティブな気持ちになり、そのような仕事に対して、モチベーションが下がってしまうことが予想されます。
そして「社員のために」という協力する気持ちが、薄らいでしまうのです。
それではつづいて、「見える化」について詳しくみていきましょう。
「見える化」は過程・プロセスにも注目する
見える化は、結果の数字だけではなく、過程・プロセスにも注目します。
結果の数字だけではなく、結果に至るまでの過程・プロセスにも注目する「見える化」
社員に対して、どのような影響があるのでしょうか。
「見える化」は社員の仕事が楽しくなる
見える化を継続的に実施することで、社員のモチベーションが上がり、仕事に楽しく臨めることを期待できます。
見える化は、結果だけではなく、過程・プロセスに注目する取り組みです。
うまくいっている事案については、「なぜうまくいったのか」という要因を把握し、自身のスキル・知識に落とし込むことができるでしょう。
そうすることで、自信が深まります。
うまくいっていない事案については、「うまくいかない原因」を把握することで、次回の成功に繋げることができるでしょう。
失敗を克服することで、自信が深まります。
そして上司の方も、過程・プロセスを把握することで、的確かつ論理的なアドバイスができるでしょう。
従って、上司と社員の関係性もより信頼関係が強固になります。
社員の ”できる” が ”強み” なり、社員の “できない” が “できる” に変わる。
社員の自信が深まり、社員同士の信頼関係が強固になる。
見える化には、社員1人1人にとって、そして組織にとって、とても大きな意味があるのです。
社員全員が、プロセスを常に観察できる状態にしておくこと、をおすすめします。
そうすれば、社員の1人が問題を発見したときに、すぐに改善に動ける環境ができるからです。
まとめ
見える化は、正しく運用することで企業の成長を促すことができます。
一方で「見せる化」のように誤って運営してしまうと、社員に悪影響となる場合もあります。
mieruでは、正しい「見える化」を知ってもらえるように、情報発信を行っています。
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