KPIをツールで分析するメリットと外せないポイントについて
- CSF
ビジネスの世界では、組織の成果を定量的に評価するために重要な指標としてKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)が利用されています。
KPIを効果的に分析し、適切な経営判断を下すためには、分析ツールの活用をした方が良いのですが、ツール導入にあたり、データの分析やツールの選び方がわからずに困っていませんか?
今回は、KPIをツールで分析する際の利点と、その分析において重要なポイントについて詳細に解説します。
また、KPIツールで分析をするメリットや管理するコツについて紹介するので、参考にしてください。
今はツールを選ぶ基準がわからないかもしれませんが、ここで紹介するポイントだけ覚えておけば失敗することはありません。
関連記事:KPI(重要業績評価指標)とは?KGI・CSF(KSF)との違いや意味・設定方法を解説
INDEX
KPI分析のメリット
どのようなKPIツールを入れた方が良いかというと、以下の条件を満たすものがおすすめです。
- データ蓄積型であること
- 時間効率を上げるものであること
- データが簡単に見えること
なぜ上記3点の結論になったかと結論を先に述べたのかというと、このまま時間が経つとツールをどのように行なったら良いのか、分析をどのような方法で行なった方が良いのかという根本でつまづく可能性があるからです。
ここでつまづくと「PDCAのPで止まる」「PdCaサイクルができる」という状況が起こってしまいます。
関連記事:PDCAサイクルは古い!時代遅れ!KPI設定の代わりになるものはOODA(ウーダ)ループ?
データ蓄積型の意思決定
組織の意思決定を行う上で、感覚や経験だけに頼るのではなく、客観的なデータを基にした「データ蓄積型」のアプローチが重要です。
KPI分析ツールは、膨大なデータから必要な情報を迅速に抽出し、意思決定の精度を高めることに貢献することになるので、データ抽出機能がなければ来期のKPI設定に支障をきたします。
KPIではなくOKRで考えられるレベルで意思決定アプローチを高速で回転させることが理想ですが、日本では浸透していないのでKPIで話を進めて参ります。
関連記事:OKRとは?KPIやMBOとの違い、目標設定の具体例も解説
時間効率の向上
手動でのデータ分析は時間がかかり、労力も必要ですが、分析ツールを使用することで、データ収集から分析、レポーティングまでのプロセスが自動化され、時間効率が大幅に向上します。
ここで時間がかかると「PDCAのCで止まる」という状況にまた悩まされることになり、モチベーションの低下に繋がります。
関連記事:KPI・目標設定がストレスで会社を辞めたい社員はいませんか?
複雑なデータの見える化
KPI分析ツールは、複雑なデータを視覚的に理解しやすい形で表示する機能を有しているものがおすすめです。
さらに、データの傾向や問題点を直感的に把握しやすくなるだけでなく、操作も簡単であるものだとベストです。
操作が難解だと形骸化してしまうからです。
関連記事:見える化はダサい?意味ない?気持ち悪い?
業務進捗の見える化をするメリット
「見える化」と「可視化」は微妙に違います。
業務進捗の見える化とは、プロジェクトや日常業務の進行状況が自然に目に入ることを指します。
一方で可視化は「見ようと思えば見える」「複雑な数値が若干複雑じゃなくなった」という状況です。
見える化と可視化は、考えずに把握できるかどうかで違います。
ここでは「見える化」のメリットについてお話します。
メリット1: コミュニケーションの効率化
進捗の見える化は、チーム内のコミュニケーションを大幅に効率化します。
プロジェクトの状況が一目で分かるため、不必要なミーティングの削減や、情報共有のスピードアップが実現します。
この見える化により、チームメンバーや関係者がリアルタイムで現状を把握し、迅速な意思決定や効果的なコミュニケーションを行うことが可能になります。
効果的でないコミュニケーションとは、双方向コミュニケーションではないことです。
このようなものは無駄なだけなので、ツールにより過剰な報告も不要にできます。
関連記事:報連相は古い!時代遅れ!日本だけ!本当の意味でなければ必要ない!
メリット2: 生産性の向上
進捗の見える化は、個人およびチームの生産性向上に寄与します。
明確な目標設定と進捗管理により、作業の優先順位が明確になり、効率的なタスク処理が可能となります。
目標管理に下手に複雑なシステムを使用すると、結局よくわからないものになり、従業員から反発を超えて呆れられてしまいます。
関連記事:目標管理は時代遅れ!くだらない!うざい!ってなってませんか?
メリット3: リスク管理の強化
進捗の見える化により、プロジェクトにおけるリスクの早期発見と対応が可能となります。
計画と現状の乖離をリアルタイムで把握できるため、リスクに迅速かつ効果的に対処することができます。
上記とやや被りますが、双方向コミュニケーションでないコミュニケーションよりは、ツールで把握した方がマシです。
関連記事:KGI・KPIの見える化、営業職・経営者共に約半数が「できていない」
メリット4: モチベーションの向上
進捗の見える化は、チームメンバーのモチベーションを向上させる効果があります。
自身の業務がプロジェクト全体に与える影響を視覚的に確認できることで、仕事への責任感や達成感が高まります。
ここで注意すべきなのは、達成可能で数値化できるものである必要があります。
関連記事:KGIの数値化ができない?設定の注意点やコツをおさらい
見える化をKPIに活かすために
数値化、達成可能かどうか、簡単に管理できるかどうかで言えば、例えば「新規顧客獲得数」は週や月ごとの新規顧客獲得数の増減がひと目でわかるため、KPIで管理・分析がしやすい数値です。
「数値を管理するだけで現状が変わるのかな」と心配になるかもしれませんが、KPIをもとにCSFを設定することができるようになるので、業務改善が行いやすくなります。
関連記事:KPIはCSFをもとに設定しないと意味がない?活用方法を業種別の例で解説
CSF(重要成功要因)とは
CSFとは「重要成功要因」と日本語で訳され、目標達成をするために必要な項目のことを言います。
例えば「1ヶ月の売上を前年度より2割増やす」という目標があったとき、KPIが「新規顧客獲得数」CSFが「今までに取引がない企業へ電話でコンタクトする」と設定することが可能です。
CSFは企業やチームが置かれている環境によって大きく異なるため、KPIで進捗を確認しながら再設定する必要が出てくる場合もあります。
「KPIの数値変動を観察した結果、新規顧客よりも既存顧客からのリピートに注力した方が売上は伸びることがわかった」となることもあるからです。
上記の場合、CSFは「新規で受注した顧客へのアフターフォローサービスの提供」となります。
KPIの数値を継続的に管理していくことで、CSFが適切に決められるので間違った方向へ進むことを防げます。
CSFの設定を間違えないためにも、KPIは数値ベースで客観的に管理を継続することが重要です。
次に、KPIの数値を管理するために外せないポイントがあるので紹介します。
関連記事:CSF(重要成功要因)の意味を具体的な例で理解して経営目標を達成しましょう
KPIの数値を管理するために外せないポイント
KPI管理とは、ビジネス目標に対する進捗状況を数値で把握し、必要に応じて戦略を「調整する」プロセスです。
目標達成に向けた効率的な経営判断を行うためには、KPIの適切な設定と管理が重要となります。
ポイント1: KPIの選定と設定
まずはおさらいも兼ねて、当然のようなことを言いますが、適切なKPIを選定するには、ビジネスの目標との整合性を確認することが必要です。
さらにKPIは、目標を具体的かつ定量的に表現する指標でなければなりません。
SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、時間的制限)に基づいて設定すると、現実的かつ効果的な目標設定が可能になります。
ポイント2: データ収集と分析
KPI管理におけるデータ収集は、その正確性が非常に重要です。
不正確なデータに基づく分析は、誤った経営判断を招く可能性があります。
忖度なしで状況把握を行う必要があるので、双方向コミュニケーションでないのなら現場の声が上がらない状況が出来上がるので、ツール任せで良いというのも暴論ではなく理にかなっています。
また、定期的にKPIの数値を分析し、ビジネス環境や市場の変化に応じた適切な対応を行うことが重要です。
これにより、目標達成に向けた適時の戦略調整が可能になります。
ポイント3: コミュニケーションと共有
KPIの数値は、関係するチームやメンバーと共有することが重要ですが、何度も言うように双方向のコミュニケーションでなければなりません。
全員が目標と現状を理解し納得し、一丸となって目標達成を目指すことが必要です。
KPIの数値分析から得られるフィードバックを活用し、継続的な改善を図り、業務効率化や企業経営のレベルアップが期待できます。
ポイント4: 柔軟な対応と調整
ビジネス環境の変化に対応するためには、KPIの数値に基づいて柔軟に戦略を調整する必要があります。
市場の変動や競合の動向など、外部環境の変化を敏感に捉えることが重要です。
そのために、定期的なレビューを通じて、KPIの目標値を現状に合わせて見直すことが必要です。
これにより、現実的かつ達成可能な目標設定が可能となります。
KPIの変更は日本では現実的ではないにしても、せめてCSFだけでも柔軟に考慮することが求められます。
日々の業務を管理するコツ
目標達成のための数字設定と業務の記録だけできればKPIツールはどれも同じだと思っていませんか?
KPIツールには選び方があります。冒頭で言った以下の3つです。
- データ蓄積型であること
- 時間効率を上げるものであること
- データが簡単に見えること
上記3つのポイントは欠かせません。
あなたが選ぼうとしているKPIツールはデータの振り返りを簡易にできるような設計になっているでしょうか。
たとえば、新規顧客獲得のために行っている施策を前年度と同じ内容で取り組んでいるけれど、売上が伸びないということがあったとします。
前年度のKPIデータと比較できれば「今年度は新規顧客が伸びているけれど既存顧客からのリピート件数が減っていた」などが見えてきます。
現状だけ見ていてもうまくいかない原因は見えてきません。
蓄積したデータと比較してはじめて適切な対処法が見つかることもあるので、過去のデータをグラフなどで比較できる機能は必要です。
また、リアルタイムで更新を記録できることもKPIツールで業務を管理する際に大切なことです。
KPIで管理する内容は「新規顧客獲得数」「お問い合わせ数」など複数の項目を同時に更新していきます。
「取引先訪問」など社外で行う業務もあるため、スマホからでも簡単にログインできるものを選びましょう。
できれば、数値の更新もクリックするだけの簡易に行える仕様がよいです。
出張先で数字を更新するときなど、更新作業が細かいと先送りにしてしまいがちです。
あとでやろうと思っていたけど別の業務で忙しくなって更新を忘れるミスはたくさんの企業が経験していることです。
mieruはビジネスの現場で目標達成に必要なKPIを記録していくために作られたツールです。
ボタンを押すだけで数値は記録され、リアルタイムで全社員に共有できます。
スマホからでもログイン画面をお気に入り登録すれば簡単にアクセスできるので、出先での更新が多い企業にもオススメです。
まとめ
KPIの数値を管理するためには、適切なKPIの選定と設定、正確なデータ収集と分析、効果的なコミュニケーションと共有、そして柔軟な対応と調整が重要です。
これらのポイントを踏まえたKPI管理により、ビジネスの目標達成に大きく貢献することができるでしょう。
30日間無料 体験版を試してみる