KPI・目標設定がストレスで会社を辞めたい社員はいませんか?

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現代の企業経営において、会社や社員の目標設定は重要な役割を果たしますが、不適切な目標設定は社員のストレスを増加させ、結果として離職率の上昇につながることがあります。

自分の会社は大丈夫と思っていても、本心の退職理由などわかる訳がありません。
もしかしたら、ストレスを過剰に溜め込んでしまっている可能性もありますし、ストレスで辞めたい社員が存在しているということは氷山の一角である危険性も秘めています。

今回は、効果的な目標設定方法とその実施によって、社員がストレスを感じずに仕事に取り組むことができる職場環境を作り出すための戦略について詳述します。

早めに食い止めなければ、周りには誰もいなくなります。

関連記事:目標管理のストレスを軽減したい!ストレスの原因と乗り越えるためのコツ

目標設定の重要性

目標をこの目に焼き付けてやる女子。モデル:河村友歌

目標設定は、社員が会社のビジョンと自身のキャリア目標を明確にし、仕事の方向性を定める上で不可欠です。

適切な目標設定により、社員は自己実現を図りながら、会社の成長にも貢献することができます。
あくまで「適切な」目標設定でないといけません。

適切な目標設定ができていないまま進む道は全て「モチベーションの低下」に続き、ストレスの要因となります。
ストレスの要因は退職の原因になりうるので、しっかりと把握しておくことが大切です。

関連記事:モチベーションが下がるきっかけの一例とKPI達成のための対策を紹介

目標設定の基本はSMARTの法則

目標決める女子。モデル:河村友歌

目標設定には、基本となる原則というものが存在します。

いわゆる「KPI」という言葉がブームになって文化が残った後に、しっかりとルーツやカルチャーまで把握していらっしゃる方はご存知かと思いますが、見直してみましょう。

以下のようなものが基本となる原則で、いわゆる「SMARTの法則」と呼ばれるものです。

  1. 具体性(Specific)
  2. 計測可能性(Measurable)
  3. 達成可能性(Achievable)
  4. 関連性(Relevant)
  5. 限定された時間(Time-bound)

関連記事:SMARTの法則とは?目標設定のポイントをわかりやすく解説!

具体性(Specific)

目標は具体的で明確でなければなりません。
漠然とした目標では、社員が何を達成すべきか理解しにくくなります。

結果として、社員が何を目指すべきなのかがわからなくなりモチベーションの低下につながります。
それをみた上司は「あいつは指示待ち人間だ」などといった評価をしてしまい、さらにモチベーションが低くなるという悪循環に入り込んでしまいます。

関連記事:KPI(重要業績指標)の重要性とは?効果的な指標設定のポイント

計測可能性(Measurable)

具体性と次に紹介する達成可能性の架け橋になるのがこの「計測可能性」です。
簡単に説明すると、定量的な目標、つまり数値化できる目標である必要があります。

数値化により、具体性も出てきますし、次に紹介する達成度合いに対する進捗状況もわかります。
ある程度のゴールを見せることで、指導に対する根拠が出てきて、モチベーションの低下を防ぐことができます。

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達成可能性(Achievable)

設定された目標は現実的で達成可能なものでなければなりません。

非現実的な目標は、社員にストレスや挫折感を与えますし、毎回続くとモチベーションが低下します。

「OKR」といった手法では、あえて達成不可能な目標を掲げることもありますが、上長サイドも達成不可能な目標を抱えることになるので問題にはなりにくいです。
ただし、テクニカルな手法なのでOKRを扱った手法では組織マネジメント自体が難しくなります。

そもそも達成不可能な目標を与えられたところで社員は、達成したと偽る方法か言い訳しか考えなくなります。

関連記事:OKRとKPIの違いやMBOも解説|知識や意味を理解して目標達成を

関連性(Relevant)

個々の目標は、会社の全体的な戦略やビジョンと密接に関連している必要があります。

これはわかりやすいかと思いますが、会社全体の目標(KGIなど)から紐解いて個人目標に落とし込む必要があります。

社員全員が会社全体の目標から個人目標を与えられているというロジックが理解できていなければなりませんが、そもそも会社の目標や戦略と関連していなければ、上司やそのさらに上の部門長などの気まぐれで振り回されているような印象を与えてしまい、案の定モチベーションの低下になります。

限定された時間(Time-bound)

目標には明確な期限を設けることが重要です。
1年、1ヶ月、1日など限定された時間で区切るべきです。

時間に限りがないと、社員はどこまで頑張ればいいのかわからず、途方に暮れてモチベーションを維持しにくくなります。

関連記事:KPIをツールで分析するメリットと外せないポイントについて

フィードバックの重要性

目標設定を原則通りに行なったと上で、さらなる成長を遂げるために不可欠なのがフィードバックとフォローアップです。

効果的なフィードバックとフォローアップによって、社員のモチベーションを高め、企業全体の成果向上につながります。

フィードバックには主に以下のようなことを意識する必要があります。

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具体的かつ建設的な行動の修正

フィードバックは、社員が自身の行動や取り組みを修正するために参考となる情報を与えることです。

フィードバックは具体的な事例を基にし、前向きな改善を促す内容であった方が良いですが、あえて答えを考えさせるような質問を問いかけることも大切です。

双方向コミュニケーションによるモチベーションの向上

社員からの意見や感想も積極的に受け入れ、対話を重視することで、社員自身の当事者意識と考える能力がうまれます。

さらにその中で行われる肯定的なフィードバックは、社員の自信とモチベーションを高めます。

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定期的な実施による成長の促進

継続的なフィードバックは、社員のスキルや能力の成長をさらに促進する上に、定期的にフィードバックを行うことで、社員は自身の進捗を把握しやすくなります。

定期的と言いましたが、社員のストレスにならないのであれば、不定期でも構いません。要は放置をしてはいけないということです。

フォローアップの必要性

目標設定は、適切なフォローアップにより、その威力を発揮します。

フォローアップには、次のようなことを意識する必要があります。

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個々に合わせた課題の解決

社員一人ひとりの能力や目標達成度合いに合わせた個別のフォローアップを行なうことで、目標達成の障害となる問題を特定し、解決策を導き出すだけでなく成長を促進することができます。

自律性の尊重するためのリソースの提供

社員が目標に取り組むための自律性を尊重し、必要に応じたフォローアップを計算して行なうことで、必要なリソースやトレーニングを算出して与えることができます。

そのことで、社員が目標に取り組むための環境を整備することだけでなく、自主的に学び続けるようになります。

継続的な関与によるモチベーションの維持

継続したコミュニケーションを行い、個々に合わせた適切なフォローアップの方法を知った上で関与することで、社員との関係性を保ち続け、目標達成に向けたモチベーションを維持することにつながります。

ストレスの原因となる目標設定の落とし穴

だんだん不安になる女子。モデル:河村友歌

目標設定は、組織や個人の成長に不可欠な要素です。

しかし、冒頭で述べた通り誤った方法で行われると、社員にストレスを与え、モチベーションを低下させ、ストレスを与え、退職につながる可能性があります。

ここでは、ストレスの原因となる目標設定の落とし穴を探り、それを避ける方法について詳細に解説します。

非現実的な目標の設定

高すぎるか、現実離れした目標は、社員にとって達成が不可能であると感じさせ、ストレスと挫折感を引き起こし、時に絶望を味合わせます。

目標は、社員のスキルやリソース、時間の制約を考慮して、現実的かつ達成可能なものに設定すべきです。

ただただ高い壁を作ったとしても、モラルハラスメントと訴えられる可能性があります。

曖昧で不明確な目標

具体性に欠ける目標は、社員が何を目指すべきかを理解しづらく、どの方向に行くべきかが不明になる上に、努力が無駄にもなる上に、上長からしても管理しにくいという三重苦が発生してしまい、地獄の様相をした職場となります。

明確で具体的な目標設定を行い、社員が自分の役割と目指すべき成果を正確に理解できるようにしましょう。

正確に理解できないまま指導したところで、パワーハラスメントと言われて終わりです。

目標達成のプレッシャー

目標に対する過度な圧力は、社員を過度なストレス状態に置き続け、いずれは発狂を引き起こすことがあります。
本人の体調に加え、会社がかなり深刻なムードになるので絶対に避けたいところです。

個人個人の目標達成に向けたサポートと理解を示し、現実的な期限設定と柔軟性を持たせることが重要です。

理屈に則っての指導と思っていても、受け手からしたらロジカルハラスメントと取られる可能性もあります。

まとめ

効果的な目標設定は、社員のモチベーションを高め、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

社員がストレスを感じずに働ける環境を作ることは、企業の持続可能な成長に不可欠です。

目標設定の最適化により、社員の満足度を高め、離職率を低下させ、企業、人間の両方が成長することが地球にとって大切です。

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